道 東 紀 行 2005
2005,06,11-30 20日間の旅の記録 その1/ 4
Nature Photographer Masaichi Sato
今年で三回目になる道東への鳥・花・温泉・味覚・感動の旅は六月三十日をもって無事終了した。毎日欠かさず続けているダイアリイも旅行日だけが空白になってしまった。通常の国内の旅なら一週間程度であり、帰ってから思い出しながら、フイールドノートのメモを見ながら遡って書き続けている。前回の道東紀行2004では珍道中風に纏めている。今回は日程が20日間と長期になったのでその日その日のエキスをメモ風に纏めてみようと思いキーボードに向かい始めた。既に、一月にならんとする今、フイールドノートのメモには何が残されているのかな。画像も入れながら進めて行きます。どのようになるやら・・・・
6月11日(土)
今週は台風4号がゆっくりと北上していた。前日はその心配にもかかわらずフエリーは出航していた。従って、今日は出航あるのみ。夕方便は満席でどうにか深夜便11時59分発の二等寝台が確保できた。北海道はそーらん祭りで賑わっていた。そんなこんなで苫小牧のホテルは12日(日)しか予約が取れない状況だった。自宅を夜九時にマイカーで出発して高速道路で大洗港へ向かう。出口で、ETC支払いは2800円のところ深夜か夜間かの割引で1500円だった。旅の出発から幸先が良かった。港でも、予約b告げて乗船書類に必要事項を記入してJAF割で10%引きで支払いを済ませると間もなく同乗者の乗船が始まり、マイカーも待ち時間も無く乗船を開始した。深夜便には二等客室の大部屋は無い。乗船をして直ぐに銭湯に入り、持ち込んだ缶チュウハイを一缶飲んで直ぐに爆睡モードになっていた。らしい。今回の旅では酒代を節約する為に酒デスカウント店で缶チュウハイを24缶入り1箱を車に積んだ。缶ビールでは冷蔵庫が必要だし、缶チュウハイなら室温で飲めるし、と思った。この時期なら缶ビールでも大丈夫そうだな。来年は考えるかな。それと、25度焼酎一升入りワンパック、小分けように午後の紅茶スクリュウアルミ缶。夜中3時に目覚めてトイレに行く。その後適度なロールアンドピッチングでまたまた爆睡だ。どこでも寝られる特技だ。
6月12日(日)
6時半目覚める。7時起床して朝風呂に入る。深夜便の朝は皆遅い。ひとりでゆったりと朝風呂で目を覚まして7時半過ぎにはラウンジのソフアーに腰掛けて左舷側の陸地方向をぼんやりと眺める。運行マップによると金華山沖あたりだ。翼下面の白いオオミズナギドリ、少し小さくて全身真っ黒のハシボソミズナギドリ、大きなクロアシアホウドリ、コアホウドリ、ウミネコ、アシカが二頭、三頭でゴムタイヤのように浮いている。海上は台風通過後にもかかわらずベタナギの状態である。8時には海上はガスってきた。時々、晴れてはまたガスがかかってしまう。8時半過ぎにまた風呂に入る。湯ざめしないようにベストとジャンパーを用意する。9時過ぎに朝食になる。いつものようにおにぎりとスープ、きゅうり、とまとなどで済ませて紅茶でくつろいだ。昼頃まで晴れたりガスったりの繰り返しだ。昼頃には三陸海岸を通過する。漁船も海鳥もまばらになってしまう。鳥はちらほら。午後2時すぎに遅い昼食になる。キュウリとトマトとチーズを挟んでサイドイッチを食べているとコアホウドリが飛んだ。台湾バナナを一本。フィリッピンバナナの三倍の価格だが今回は思いきって買ってみた。これがまた美味ですね。三倍の価値があります。痛んでも安売りしない理由がわかりましたね。イルカが船から遠ざかっていった。5時には又また風呂に入り一眠りした。定刻の八時前には接岸して同乗者と共に下船した。ナビを馴染みの回転寿司にセットした。早食いの私には回転寿司の価格と新鮮ネタはぴったりだ。三十分足らずで満腹になり、大好きなガリもたっぷりと食べてホテルにチェックインすると九時になっていた。ニュースでそーらん祭りの中継をやっていた。

フェリー、サンフラワーみとのデッキ
6月13日(月)
今朝は7時起きで午前中だけの予定で近くの演習林にカーナビをセットして向かった。車でホテルから直ぐ近くである。初めての場所でも有りポイントは不明である。カーナビのGが近づいた。終点には駐車場があった。そして、既にカメラマンが二人構えていた。ここは有名なクマゲラのポイントだ。平日にも拘らず次から次へと鳥見客とカメラマンがプロ・アマ・ビギナーなど様々な方々が訪れてくる。地元aAレンタカー、東京、愛知、広島などなど全国のウオッチャーが旅の始めと終わりに立ち寄って行く。わたしもその中の一人でクマゲラはちらりと見たり、キャラーとひと声ふた声聴いたりしただけである。今回はじっくりと♂♀ペアで観察することが出来た。抱卵は♀の方がやや長く♂は短いようだ。地元の主と思われる方が一日中この場所を監視している。中にはとんでもない人がいて、テープで声を流したり、夜間に撮影するなど思いもよらない行動をすると言っていた。だから本人は撮影はしないで地方からの方に情報提供などをしているとても親切な主でもある。いろいろとご親切にありがとうございました。今日は朝から曇り時々雨で非常に寒い日だ。地上での餌捕りなどを二度ほどご対面して撮影した。挨拶もそこそこに次のポイントである天売島への港町、羽幌町に向けて250Km移動する。高速道路二時間と北竜町までの延長道路であっというまに留萌に到着だ。あと50Kmだから一時間ほどで到着予定。羽幌港に四時半に到着して明日の出航時間を確認して宿にチェックインした。ここは老舗の割烹旅館だ。一風呂浴びる前にPCでクマゲラの画像をチエックしてみた。暗いので画像は納得できるものではなかった。そして、帰りにもう一度立ち寄ることにした。パソコンを開いたのは今回だけで以後帰宅するまで開けることはなかった。

演習林の観察ポイント
お風呂の準備ができたので一風呂浴びてから個室の雰囲気のある良い部屋で夕食である。老舗なのに地方の為かてごろな価格だ。料理も見た目の盛り付けも味も良かった。ここでは隣の島の天売島のウニがちょっとだけ味見ができた。ついつい瓶ビールをオーダーしてしまった。飲めるのに恥ずかしくて頼まないではいられなかったのである。天売島への旅は車を止めておかなければならない。港は一日800円だとかで二日で1600円だ。けちけち旅行だから美人女将に聞いてみたら家に止めてもいいよと言ってくれた。予定外のビールも飲んだことだし遠慮なく端に止めさせて貰うことにした。ここは仕事の出張で宿泊する方が多いようだった。カーテン一枚で外の街灯の明かりが明るくて熟睡できなかった。とお互いに話していた。本当かなー。
6月14日(火)
今朝は散歩も朝探鳥もなく六時に起床して風呂に入る。7時に朝食を済ませて8時にはチェックアウトして車で港へ行く、荷物を下ろしてUターンする。旅館の駐車場に止めて挨拶をして港まで歩いて10分たらず。乗船券を買い、フエリーおろろん丸に乗り込んだ。海上は澄み切っていた。陸地もこれから向かう焼尻島が見えている。八時出航、一時間で焼尻島、そこから30分で天売島だ。海上ではウトウ、ケイマフリ、ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミスズメが観察された。天売島には予約した旅館のマイクロバスが出迎えてくれた。天気も良く暑い日だった。昨日の雨で寒かったので厚手のスラックスは裏目にでてしまった。初めての島なので地形も鳥も距離も不明だ。600mmを背負い、三脚を持って。300mmと60mmマクロとバカチョンを首に下げて反時計方向に歩き始めた。今日の歩程は10Kmだから時速3Kmでも三時間か。これが判断ミスの始まりだ。凄い登りが続いた。海抜ゼロから頂上までかなりの高さなのである。焼尻島は平坦だが天売島は結構高いのである。そして時速は2Km程度になっていた。歩行時間は五時間だ。途中の横道に入ると更に時間がかかってしまった。環境省からセグロカモメの行動調査を発信機でやっている職員に出会った。ウミネコは減っているが、オオセグロカモメは増加していると言っていた。それでも今年はウミネコはほとんど巣立たないらしいと話していた。クロツグミ、ノゴマ、ベニマシコ(複雑な声)、エゾセンニュウ、シマセンニュウ、カッコウなどが盛んに囀っていた。天売灯台でウミネコ、オオセグロカモメ、アマツバメ、ウトウ、ケイマフリ、ウミウなどを見下ろしながら昼食にした。観音崎展望台、海鳥観察舎を周ると最高地点から下り始めていた。隣の焼尻島が眼下に見えていた。海鳥観察舎は今晩の観光で7時過ぎからウトウの大集団の帰巣を観察することになっている。料金はガイド・送迎つき1000円である。

海鳥展望台・雲海の夕暮れにウトウの大群が飛ぶ

海鳥観察舎案内板
今日は歩き続けて足に豆が出来てしまった。600mmと三脚は不用だった。とてもとても13kGをセットして歩くような場所では無かった。手ぶらで一日がかりで弁当と水筒持参で散策するのは丁度いい感じかな。次回の機会があればそのようにしたい。夕食は一人分だけ特別食だ。ウニ、ウニのお吸い物、アワビ、イカ、などなど。食べきれないほどのご馳走だが残すのはもったいない。焼き魚など日持ちするものはタッパにキープして翌日の昼食だ。これはいつもの旅行先での常套手段である。くれぐれも生ものはいけませんよ。夕食で150%満腹になり、少し休んでいると観光協会のマイクロバスがウトウ観光の迎えに来た。このバスの客は15-16人程度だが、あちらこちらのホテルからマイクロバス、民宿のマイカーなどで海鳥展望台は賑わっていた。外人さんも居た。雲海に夕日が沈んでいく様は富士山などの高山に限られているのかと思っていたが、北の島では常に霧が出る。丁度、日没時に霧がかかるとウトウは早めに帰巣すると言う。なぜなら、ウトウが巣穴の雛に持ち帰る魚を横取りしようとして巣穴の周りには無数のウミネコが待ち構えている。真っ暗になるまでウミネコはウトウを待っている様子だ。ウトウは大きい魚なら一尾。小さい物なら10尾以上も銜えていると言う。そして、運悪くウミネコに横取りされても反対側の半分は残るのだそうな。仮にイワシの頭一つでも雛は三日間は命を繋げると解説員のガイドさんは言っていました。天売島の海面上にはウトウが無数に浮かんでいる。暗くなるに従って、巣穴めがけて一直線に突っ込んで行く。オオイタドリの大きな葉はウトウが突っ込む際のクッションになり、天敵のカラス、ウミネコ、オオセグロカモメから巣穴と雛を隠しているのである。ウトウの巣穴はそんな所にだけあるのだ。八時を過ぎて観光時間はタイムオーバーだ。時計回りにバスが客を送り届ける。途中で利尻富士が雲海からちょっとだけ頭を出していた。とても感動する光景だった。誰もが、わーーーすごーいと声を出していた。宿に戻り一風呂浴びてから明日の予定を確認してウトウ観光に大満足して真っ暗な天売島の夜は更けて行きました。
6月15日(水)
朝ごはんを美味しく頂く為には早起きして朝探が一番だ。今朝も、朝食前に学校まで軽く一時間ほど散策だ。珍しいものが出るわけではないが静かな島の朝は気持ちが良い。丁度、レンゲツツジ、オダマキが満開で八重桜がまだ咲いていた。朝からイカサシのご馳走だ。朝から食べきれないほどの料理が出てきた。またまた、タッパにキープした。今朝はガスがでている。観光船がガスで欠航すると連絡があった。残念だなーと思いつつチェックアウトの支度をしていた。又、連絡が入り10時には観光船が四人の客を乗せて出航することになった。反時計回りに船が出港した。これまたガイド付である。名所の案内。鳥や海獣などの解説をしてくれる。とても親切である。出航して間もなくゴマフアザラシのお出迎えだ。みんなこちらを見ている。岩の上で休んでいるものは警戒して海中に潜り、顔だけ出してこちらを見ている。船は先に進めていく。ウミネコやオオセグロカモメ、ウミウ、ウトウなどのコロニーがある。そして、少なくなったウミガラスを呼び寄せる為のデコイを置いてある岩場に到着した。デコイを双眼鏡で覗いて見ると、沢山のデコイが見える。そして船長が叫んだ。オロロンチョウがいる。ガイドも興奮気味にその方向を教えてくれた。なんと10羽しかいないウミガラスが4羽も浮かんでいる。船長は鳥に気遣いながら少しだけ近づいてくれた。オロロンは警戒して遠ざかっていく。観光船の窓を開けて300mmで連写した。久し振りの感動の瞬間だった。オロロンには会うことは無いだろうと思い期待しないで観光船に乗ったから結果オーライなのだそうな。どうしても見たいという邪心があると見られないことが多いと羅臼の観光船の船長は話していた。一時間ほどで観光船は港に戻った。我々も二時半のフエリーオロロン丸で羽幌に帰ることになっている。早めに昼食をしておくのが船酔い防止策だ。正午になり港の側のテーブルで昼食にした。食事が終わり、出航までの時間を海の宇宙館で天売島の展示物などを見ながら時間を過ごした。定刻に天売島からフエリーが出航して、焼尻島を経由してベタ凪ぎの海面を滑るように羽幌港に向かった。船ではデッキの上から海上を眺めていた。ウトウ、ウミスズメ、ケイマフリ(アカアシという方言で呼ぶ)が観察された。荷物を港に置いて、旅館に止めてある車を取りに行き港で荷物を積み込んで次の宿泊地の天塩町に向かった。途中の金浦原生花園はエゾカンゾウが満開だった。カメラマンが独り占めで撮影していた。満開の花を遠めに見ながらこれからの原生花園はすごいぞと空想を膨らませてその場所を通過して行った。天塩は天然温泉付の公営の宿泊所だ。レセプションで保冷剤の冷凍をお願いして早速、露天風呂だ。なんと、この風呂は田舎の天神岬の潮風荘と同じ泉質で薄茶色の塩水で肌がつるつるする。通称、美人の湯だ。日没が迫ってきた。利尻富士がくっきりと浮かんでいる。何とか屋上で撮影することができた。ここはシジミとホッキ貝が名物だ。味噌汁とサシミでご当地の味を堪能した。明日の朝は朝探してから朝食に決めてもう一度、露天風呂に入り早めに休んだ。普通は八時には就寝、五時起床。朝飯前には1-2時間探鳥。7--8時に朝食。九時チェックアウト。13—14時昼食、外食は一切無い。午後5—6時チエックインだ。これが旅行中の生活リズムだ。続く。

天売島・観光船おろろん丸