「ヒエラルキー」「ハイアラキー」とも。
「階統制」「位階制」「階層制」などと訳されるドイツ語で、ピラミッド形の中央集権的な秩序や組織を指し、今日の官僚、軍隊、企業、組合などの活動を統制する分業的な組織原理を説明する際に用いられることが多いが、本来はカトリック教会の聖職位階制 (ヒエラルキア) から出た概念。
歴史用語としては、もっぱら後者の意味で使われる。
ローマ・カトリック教会の特徴の一つは、極めて強固なピラミッド式階層制組織にある。これはラテン語で「ヒエラルキア」と呼ばれ、「聖職位階制」「教階制」などと訳される。
元来は「神聖な者の支配」を意味するギリシア語「ヒエラルキア」から来た語で、聖職者が社会の支配的地位を占めるべきとするカトリック教会の主張に発するが、キリスト教聖職者が俗人から分離して教会を形成すると、教会内部の聖職者の上下関係を整備した秩序体系を指すようになった。
従って、ヒエラルキアの厳密な中央集権組織は歴史的産物であって、キリスト教が本来的に内包していたものではない。
聖職者の位の高い方から行くと、次のようになる。
- 教皇 (パーパ [羅] /ポウプ [英] )
- 枢機卿 (カルディナリス [羅] /カーディナル [英] )
- 総大司教 (パトリアルクス [羅] )
- 首座大司教 (プリマス [羅] )
- 大司教 (アルキエピスコプス [羅] /アーチビショップ [英] )……司教の中の有力者で他の司教を監督する。
- 司教 (エピスコプス [羅] /ビショップ [英] )……司教区を受け持つ。
- 司祭 (プレスビテル [羅] /プリースト [英] )……日本では「神父」 (英語 Father の訳)とも。「教区」を担当。
- 助祭 (ディアコヌス [羅] )
元来教会の指導者としては「司教」がいただけだった。
しかし教会組織が肥大化するに伴い、ローマ司教は「ローマ教皇」として指導的な地位を得、他の司教の間にも「大司教」「首座大司教」「総大司教」「枢機卿」などの階級が生じた。
それと共に、原始キリスト教会で「長老 (プレスビテル)」と呼ばれた補助職も「司祭」 (一般の人々は「神父」と呼んだ) として整備され、「助祭 (ディアコヌス)」も同様にして成立した。
カトリック教会では司祭以上が秘蹟を与えることが出来る。
- 1世紀
- 「異邦人への使徒」パウロ時代に既に聖職者が俗人から分離。
- 2世紀
- 教職者の間に、
- 助祭 (ディアコヌス)
- 長老 (プレスビテル) → のち「司祭」に。
- 監督 (エピスコプス) → のち「司教」に。
などが成立。
- 5世紀
- ゲラシウス1世は「キリスト教社会は教会の指導下にあって教皇をその首に戴く」と主張。
- 13世紀
- 教皇権の頂点。
聖職者任命権は聖職者自身が持ち、王権も介入できなかった。
- 教皇 ← 枢機卿会議が選ぶ
- 司教 ← 司教たちが構成する「参事会 (カピトゥルム)」が選ぶ
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