秘蹟 (サクラメント)
sacramentum [羅] / sacrament [英]
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 キリスト教で、神の恩恵を与えるための手段 (儀式)。

 ギリシア語「ミュステーリオン (musthrion)」 (秘儀、密儀) のラテン語訳の一つ「サクラメントゥム (sacramentum) 」に由来。
 カトリック教会では「秘蹟 (秘跡)」と訳す。
 東方正教会系では「機密」と訳し、流儀はカトリックに似る。
 プロテスタントでは「礼典」「聖礼典」、聖公会では「聖奠」と訳し、「聖餐」と「洗礼」の二つのみを認める。

 教会が、罪の許しなどの神の恩寵を信徒に与えるには、ある決まった儀式を執り行わなければならない。これが「秘蹟(サクラメント)」と呼ばれるものである。

 カトリック教会に於いては、その種類は、12世紀のペトルス・ロンバルドゥス以来、

  1. 洗礼
  2. 堅信 (堅振)
  3. 聖体 (聖餐=ミサ
  4. 告解 (改悛)
  5. 終油
  6. 叙階 (叙品、任職)
  7. 婚姻
の7つと定められ、フィレンツェ宗教会議に於けるローマ教皇エウゲニウス4世の大勅書 (1439) で公式に確認された。
 このうち、1. 「洗礼」、3. 「聖餐 (ミサ)」、6. 「叙階」の3秘蹟が特に重視された。

 面白いのは、秘蹟は、正しい手順で行われさえすれば、どんな人間が行おうと有効だ、とされることだ。
 つまり、秘蹟の効力は人によるのではなく、神が直接に働き給う業であるから、執行する人間の人徳には関係がない、と考えるのである。
 クリュニー修道院長オドー (位924〜942) は、
 「聖徒による洗礼が、罪人による洗礼より効果があるとは言えない。なぜなら真に洗礼するのはキリストだけだから」
と述べ、上述の教皇エウゲニウスの大勅書 (1439) でも、
 「危急の際には、(中略)俗人、女性、いな異教徒や異端でさえ、教会の定める言葉を用い、教会の為すところを為さんとする限り、同じく洗礼を施し得る」
としている。

 この徹底した機能主義、客観主義が、ローマ・カトリック教会の最大の特徴と言ってもいい。
 しかしこれは同時に特権的な聖職者の腐敗を招く温床となった。

 プロテスタント教会では、「洗礼」「聖餐 (ミサ)」の2秘蹟のみをキリスト自身の教えに基づくものとして認め、それ以外は廃止した。

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©2002 早崎隆志 All rights reserved.
更新日:2002/04/06

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