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15世紀末〜16世紀初め、ジャワにイスラム教を伝えた神秘主義イスラム (スーフィズム) の伝説的九聖人。
- スナン・グレシック (マウラナ・マリク・イブラヒム) ……最初にジャワにイスラム教をもたらした。1419年にグレシックで没。
- スナン・アンペル (ラデン・ラハマット) ……スマトラ島のパレンバンで活躍。教え子ラデン・パターはドゥマクにジャワ最初のイスラム政権を樹立。
- スナン・ボナン……スナン・アンペルの息子で、トゥバンに布教。ガムラン音楽を作曲、布教に用いた。
- スナン・ギリ (ラデン・パク) ……16世紀中頃、東部ジャワの港グレシックにイスラム国家を建てた。「スナン」の称号を受け継いだ後継者は、聖俗両権威を一身に纏ったが、1636年、マタラーム王国により滅ぼされた。
- スナン・ドラジャット……人徳者で知られる。
- スナン・カリジャガ……詩人、哲学者。布教に伝統影絵芝居ワヤンを利用し、伝統音楽ガムランや古来からの共食儀礼スラマタンを今日のイスラム風にアレンジした考案者とされる。
伝説によれば、スナン・カリジャガは政府高官の息子だが若くして悪に染まっていた。ある日カリジャガが例によって金品を強奪しているところに聖者スナン・ボナンがやってきた。とがめるボナンを逆に「殺されたくなかったら、お前の金飾り付きの杖をよこせ」と脅したところ、ボナンは笑って「金や宝石などどうってことないよ」と言って、あたりの木々を金と宝石に変えた。
仰天したカリジャガは、その魔力を授けてくれるよう懇願した。そこでボナンは、自分が戻ってくるまで何年でも川岸を離れないことを命じた。
長年経ってボナンが戻ってきた時、カリジャガが苦難の修行により、自分より力のある聖者になっていることを発見した。
カリジャガは悪から足を洗い、イスラム伝道に生涯を捧げた。……
- スナン・クドゥス……1546年、クドゥスにモスクを建てる。
- スナン・ムリア……ムリア半島の村に伝道。
- スナン・グヌンジャティ (ファラテハン、ファタヒラー) ……メッカ巡礼後ドゥマクでイスラム布教に尽くし、国王の妹と結婚。1526年頃パジャジャラン王国領だったバンテンを奪い、バンテン王国を開いた。
1552年、チレボン王国を築いて引退。
彼らはカーディリー教団に属していたと考えられ、学塾プサントレンで弟子を養成し、聖句を繰り返し唱える「ジグル」でイスラムを広めた。聖者は「バラカ」という超能力で奇跡を起こし、人々を救済した。
こうした伝承で分かる通り、彼らはイスラムを厳格な形ではなく、ジャワ人に受け入れ易いよう、ジャワの神秘主義信仰 (クバティナン) に合わせて変形して持ち込んだのである。
彼らはジャワ最初のイスラム教国ドゥマクの建国に関わったが、チレボン王国成立に尽力したスナン・グヌンジャティ以下別の9聖人も「ワリ・ソンゴ」と呼ばれる。
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