ポリフォニー
Polyphonie [独] / polifonia [伊]/ polyphonie [仏]/ polyphony [英]

 「多声音楽」。複数の声部が異なる動きをしながら協和しあって進行していく音楽。

 「ポリフォニー」という言葉には2つの意味がある。

  1. いくつもの声部から成り立つ音楽……「モノフォニー(単旋律音楽)」に対して用いる。
  2. それぞれの声部が独立した音楽……古典派以降の「ホモフォニー」(和声音楽様式)に対して用いる。
 通常、2.の意味で使われる。
 ホモフォニーは、現在我々が接している大部分の音楽が則っている様式で、一つのメロディーに対し、和声的伴奏が付く形のものである。当然音楽の重心はメロディー部(普通は最高声部)にある。
 これに対し、ポリフォニーでは全ての声部が独立し、それぞれが同程度の比重で絡み合う。どこが主旋律でどこが伴奏か、という区別はない。

 ポリフォニーの方が作曲技法としては複雑なので、モノフォニー(単旋律音楽)の発展の末に生まれた高度な技法と考えがちだが、実際にはいつでもどこでも自然発生的に成立し得る。むしろ、ホモフォニーの方が、複雑になりすぎたポリフォニーへのアンチテーゼとして生まれたのである。
 だから、音楽史上の発展の順序はこうなる。

  • モノフォニー → ポリフォニー → ホモフォニー

     近世以降のヨーロッパ音楽の最大の特徴は、@調性と、Aポリフォニー(多声体)の二点である。中でもポリフォニーは、調性の成立の基盤ともなるので、ヨーロッパ音楽の基本的性格と言ってよいだろう。
     ポリフォニーの起源について、普通の音楽史の本は、10世紀頃のヨーロッパで史上初めて登場したような書き方をしているが、ポリフォニーは決してヨーロッパ民族独自の発明ではない。むしろ、世界の諸民族の音楽においては、平行和声や3和音、カノン等の原初的ポリフォニーの方が一般的なのである。
     しかし、ポリフォニーを極限まで突き詰めて独自の表現手段として発達させたところに、ヨーロッパ音楽の特殊性があるわけだ。

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    更新日:2002/03/30

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