調性
Tonaltät [独] / tonalità [伊]/ tonalité [仏]/ tonality [英]

 調とは、音組織が、ある一定の音(主音)を中心にまとまろうとする志向力であり、楽曲の構成音を統一する和声的関係のことである。全ての音は、音階の主音に支配され、主音と何らかの関係を持ち、主音に近づこうとする。こうした主音の引力で生じた音の関係が調なのである。

 調性は、どの音楽にもあるわけではない。調性を持つためには、主音の存在と共に、それに伴う機能的和声感が必要である。「機能和声」とは、主和音(T)、属和音(X)、下属和音(W)等の様に、調性の観点から見た和音(和声)のことで、この機能和声が長調・短調の概念をもたらし、調性感の増幅に役立っている。
 但し、調性を持たない音楽が全て、いわゆる無調音楽だというわけではない。ルネサンス期のヨーロッパ音楽は、一定の音階(旋法)に従った旋律を持っているし、その和声も協和音を用いるので、決していわゆる無調音楽ではない。しかしその和声は非機能的=非調性的な和音の結合であり、その意味で非調性的な音楽なのである。またリズムも散文的で拍子感が弱く、非機能和声と共に前近代的な特性を示している。

 調性感の発生は、17世紀の間に、根音進行に属音(ドミナント)→主音(トニカ)、旋律や内声に導音→主音(シ→ド等)といった動きが見られるようになり、3和音が機能性を帯び始めたことで始まり、その後、調的統一への傾向が急速に強まった。そこには平均律の普及という事情も働いた。
 近世以降のヨーロッパ音楽最大の特徴は、調性音楽だということだ。調性を確立したために、ヨーロッパ音楽は世界中に広がったと言って良い。

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更新日:2002/03/30

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