= Hati Yang Luka 替え歌症候群 =
ベタリア・ソナタの「Hati Yang Luka (傷ついた心)」 (1988) は、夫の暴力に耐えかねた妻が離縁を申し渡す(「甘い思い出も消えた」「もう両親のもとに帰るだけ」)という異色の歌詞で多くの共感を呼び、全インドネシア的ビッグ・ヒットとなったが、あまりにも大きな反響を呼んだため、時の情報大臣ハルモコが「涙を誘う歌」をテレビから追放しようと訴えるほどの事態となり、多くの論争を引き起す社会現象となった。
その影響力の強さを示す証左の一つは、無数に出現した替え歌である。後で妻が許しを請うもの、そもそもの原因は妻の浮気にあったとするもの、夫が自分こそ愛の犠牲者だと泣き言を並べるもの、など様々だが、共通しているのは男性側が自己正当化していることである。ここにインドネシア社会の父権的封建性を見ることが出来る。
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