新・野次馬住宅時評


              
              
定年後の雇用創出に動く!

美装の「高齢者雇用対策」第1号・荒木民人さんに聞く
                    

新野次馬住宅時評 282号(通巻333号)2011.12.7




荒木民人さん、昭和262月生まれの60歳。株式会社美装の湘南支店外壁課に勤めている。嘱託社員である。その前は、美装の取締役ホームサービス事業部長。平成23年2月に定年を迎え、引継ぎ業務を終えて9月に事業部のある横須賀から湘南支店のある藤沢へ移ったのである。

定年というと多くの企業は60歳であるが(美装は役員を含めて全員60歳。ただし代表取締役は62歳)、年金がもらえるのは65歳、その間どうするかといえば再就職したりアルバイトをしたりして暮らす。だが若者も高齢者も仕事がないという現代ニッポン、みな大変である。それなら65歳まで働ける環境づくりを進めて、もう一度働いてもらおうと、平成19年に美装は65歳まで働けるよう規約を改定し環境を整えた。その第1番目の対象者が荒木さんなのである。

入社は昭和53年、建築資材の配達からスタート、営業へと回って、その後、藤沢や平塚の営業所長、横須賀物流センター所長、そしてホームサービス事業部長となり定年を迎えた。その間33年の住宅資材を扱う人生である。

外壁課の仕事はサイディング、屋根材、軒天材、破風などを現場へと運ぶこと。40歳代の2人が担当、それに今度60歳の荒木さんが加わった。「私は彼らの仕事の手伝いをする助手です」と荒木さん。外壁課は助手が必要な仕事なのかと聞くのは野暮であった。どの資材もかなり重い。束ねて20数キロになる。それを急な坂道でも運ばなければならない。助手がいれば大そう助かるのである。ほかに荒木さんは現場での残材の引き取りもして帰る。

「働き始めた1カ月は疲れました。3キロ痩せました」。

一般社員は土・日が休み、荒木さんはそれに水曜日が加わる。体力を考えて1日多くしたのである。「水曜の休みがあるとホッとします」と荒木さんはいう。知った職場ではあるが、やっぱり資材の配達、高齢者にはちょっと疲れる。

荒木さんは役員として65歳まで働ける環境づくりを進めた一人でもある。だから就任第1号の荒木さんはどんな部署が高齢者でも働けるか自分で確かめていることにもなる。「高齢者の雇用を創出することで、新しいビジネスが生まれるということにもなる」(美装の玉城健一社長)ことで、荒木さんはこれからの定年者のために、仕事づくりに励んでいるのかもしれない。だが荒木さんは「久しぶりに新たな気分で働く楽しさを味わっています」と笑顔をみせた。

参照:新・野次馬住宅時評238号「65歳まで働ける職場にしていこう――美装の高齢者定年後の雇用対策」


トップ