建築家・黒崎敏さんの「最高に楽しい家づくりの図鑑」

  ――家づくりの手引き書でありながら、同時に作品集
          



新野次馬住宅時評300号(通巻351号)2012.6.12














 建築家・黒崎敏さん――1970年、石川県生まれ。明治大学理工学部建築学科卒業後、積水ハウス株式会社設計部、FORME一級建築士事務所に勤めて2000年に29歳でAPOLLO一級建築士事務所を設立。デビュー作は東京・神田の狭小住宅、7坪に建築面積にちなみ「SEVEN」と名付けた。狭小住宅からスタートしたこともあり人は黒崎さんを「路地裏育ちの建築家」とも呼ぶ。だがいまは斬新なデザインの広い住宅が多くを占める。白い外観、一直線に伸びるアプローチなど“白そして線”が強烈な建築家である。日本大学理工学部非常勤講師を勤め、韓国ソウルにも拠点を設け、海外のプロジェクトにも意欲的に取組んでいる。

 その黒崎さんが「最高に楽しい家づくりの図鑑」(エクスナレッジ発行、1800円+税)をこの5月に出しました。2012年1月、神田小川町から千代田区二番町のベルギー王国大使館を擁するベルギースクエア内に移転したオフィスで黒崎さんに話を聞きました。


                            □□□□□□□□

――おひさしぶりです。3.11、東日本大震災のときは小川町の事務所に泊まらせていただきました。今度、「新しい住宅デザインの教科書」(2011年1月発行)に続く新しい本を出しましたね。

黒崎さん 今度の本は専門家向けではなく、一般読者の人読んでもらおうと、可能なかぎりわかりやすく、見て楽しめる本づくりを追求しました。

――タイトルが「家づくりの図鑑」、図鑑スタイルにしたのがいいですね。B4版で219ページ、キーワードごとに見開き2ページないし1ページでまとめているので見やすくなっています。

黒崎さん いま家づくりはこれまでのように4LDKといった部屋ごとにくくって間取りを考えるというのではなく、自分の生活スタイルをみつめながら家づくり=デザインしていく方向性です。そこでこの本は住まいを再定義する考えに基づいて、「間取り」「素材」「細部のこだわり」などのテーマごとに「家づくりの新しいルール」が学べるようにしました。動線、視線、通風、日射といった住宅設計の基本的なことももちろん採り入れてあります。

――どこからでも読めるわけですが、パッと開くとかわいいイラストそれに間取り図、写真が目につきます。間取り図は記号で表示、これは新しい。そして、文章は少なめです。

黒崎さん 理屈ではなく視覚で理解してもらおうと思っています。

――家づくりの手引き書であると同時に黒崎さんの作品集でもあるんですね。掲載されている作品はすべてAPOLLO一級建築士事務所のものとなっています。

黒崎さん これまで80軒ほど家をつくりましたが、この本では50〜60軒ほどの作品が入っています。


              □□□□□□□□

「最高に楽しい家づくりの図鑑」は黒崎さんの作品集を見ながら家づくりのヒントが得られる本であった。黒崎さんはさらにわかりやすく楽しい絵本のような家づくりのキーワード集をまとめているといいます。来年あたりに発行したいとのこと。楽しみです!!

                           

「最高に楽しい家づくりの図鑑」目次

1 PLANNNING 住宅設計の基本
動線/視線/手法

2 SPACE 自分だけの極上空間を求めて
内部空間/外部空間

3 ELEMENT 空間を構成する要素
見える要素/感じる要素

4 DETAIL 究極の細部をデザインする
建具/照明/家具/階段/その他

5 MATERIAL 進化する住宅素材
外壁/床材/建具・庇/キッチン・バス/その他

6 SITE ワンランク上の住環境をつくる方法
敷地特性

7 URBAN 都市で心地よく暮らすには



トップ